父親の勧めで8歳からゴルフを始めた金澤志奈選手。出身地は、米国女子ツアーで活躍する畑岡奈紗選手と同じ茨城県笠間市です。
中学・高校時代はアマチュアの試合で優秀な成績を残し、高校卒業時にはプロに行くか進学するかで悩んだ末、千葉県我孫子市の中央学院大学に進学しました。
その後2017年に、のちに黄金世代と呼ばれる畑岡奈紗選手や渋野日向子選手らと共にプロテストに合格。プロ合格後は、ステップアップツアー「山陽新聞レディス」での優勝や、2021年のレギュラーツアー「伊藤園レディス」の2位タイなどの成績を収めています。
金澤志奈選手は優勝などの派手な実績こそ少ないですが、2023年シーズンもメルセデスポイント47位で次シーズンのシード権を獲得するなど、2019年から5年連続でシード権を獲得するという堅実な成績を収め続けています。
今回の記事では、この金澤志奈選手のクラブセッティング(2023年版)を紹介していきます。
金澤志奈プロのクラブセッティング(2023年版)
金澤志奈選手はクレスコというIT系の企業に所属しており、クラブはホンマ、ボールはブリヂストンと契約しています。
メーカー | クラブ名 | シャフト | |
ドライバー(9.5°) | ホンマゴルフ | ツアーワールド TR20 460 | ディアマナ BF50(SR) |
フェアウェイウッド 3,5,7番 (15°, 18°, 21°) | ホンマゴルフ | ツアーワールド GS | ツアーAD TP-5(S) |
ユーティリティー(25°) | ホンマゴルフ | TW717 | ホンマヴィザードUT-H7(S) |
アイアン(6番~PW) | ホンマゴルフ | T//ワールドTW757Vx | NS850 GH(S) |
ウェッジ(48°) | ホンマゴルフ | T//ワールドTW-W | NSプロ950GH(R) |
ウェッジ(50°, 56°) | フォーティーン | RM-22 | NSプロ950GH(R) |
パター | キャロウェイ | オデッセイ ホワイトホットOG #1WS | |
ボール | ブリヂストン | ツアーB XS |
ドライバー:ツアーワールド TR20 460(ホンマゴルフ)
2020年3月に発売され、日米共同で開発された「T//WORLD(ツアーワールド)TR20」は、「TiCarbon+Fast Frame」を採用しています。これによりホンマゴルフは、“初速のスピードアップと、大幅な弾道コントロール性能を兼ね備えた、ホンマゴルフ史上最高の最先端テクノロジードライバー” としています。
「460」という数字はヘッドの体積を示した数字で、規定されている最大の体積となっています。
ホンマゴルフは同じシリーズでヘッド体積がやや小さい「440」も販売しています。通常、ヘッド体積が小さい方が操作性が良く、大きい方は寛容性が高い、と言われています。ただし、クラブのスペシャリストが両方を評価した結果では、「操作性も寛容性も同じ位の性能」としています。つまり、構えたときの感覚で「460」か「440」を選ぶことができるということです。
フェアウェイウッド(3番15°, 5番18°, 7番21°):ツアーワールド GS(ホンマゴルフ)
ホンマゴルフは、「ボールを浮かす、まっすぐ飛ばすクラブ」と「ツアーワールドGS」フェアウェイウッドのことを表現しています。
「ドローバイアステクノロジー」という、加重位置をヒール側から後方にかけて配置する技術を採用し、重心深度を深く設計することでつかまりの良さと直進性と高弾道を実現しました。
また、「クランクスリット」というスリットをクランク形状にして、センターの直線部の長さを短くすることにより、センターヒット時の反発スピードをアップさせています。
金澤志奈選手は、2023年のクラブセッティングからフェアウェイウッドの7番を追加して、その代わりにユーティリティーを減らしています。
ユーティリティー:TW717(ホンマゴルフ)
金澤志奈選手は、3番、5番、7番と3本のフェアウェイウッドをセッティングしているので、ユーティリティーには、25°を1本のみ使用しており、ロフト角的には、21°の7番ウッドと、27°の6番アイアンとの差を埋めるクラブとなっています。
「TW717」は2013年に発売されたかなり古めのクラブであり、ホンマゴルフの公式サイトでは「TW717」の25°がラインアップされていないので、特注のクラブかもしれません。
アイアン(6番~9番/PW):T//ワールド TW757Vx(ホンマゴルフ)
ホンマゴルフは、「TW757Vx」を「進化した飛び系ツアーアイアンと直進性と打点のブレに対する許容性を叶える、機能を高レベルで調和させたFORGEDアイアン」と謳っています。
ロフト角は6番からPWまでそれぞれ27°、30°、34°、38°、43°となっています。7番アイアンが30°とストロングロフト気味なので、比較的力が弱めのゴルファー向けのクラブと言えるかもしれません。
ウェッジ(48°):T//ワールドTW-W(ホンマゴルフ)
「TW-W」ウェッジはロフト角が48°から61°までラインアップされていて、ソール形状もIソール、Cソール、Sソールの3つのタイプが準備されています。
金澤志奈選手が使っている48°はIソールのみになっており、フェース上部を肉薄にして重心を低くし、クラブの抜けを良くしています。
また、フェースの溝にはクロスシーリング加工がしてあり、溝の幅と深さを調整することでスピンがかかりやすくなっています。
ウェッジ(50°, 56°):RM-22(フォーティーン)
フォーティーンの「RM-22」はロフト角とバンス角の組み合わせの選択が11種類と多彩です。
金澤志奈選手が使用している50°はバンス角7°、56°は8°になっています。また、両方ともソールの形状はリッジソールとなっていて、フルショットやフェースをスクエアに構えてアプローチするのに適しています。
パター:オデッセイ ホワイトホットOG #1WS(キャロウェイ)
「WHITE HOT OG」パターのホワイト・ホットインサートには、ボールのカバーと同じ素材を使用されています。そのため、インパクト時のボールとの相性が良く、ソフトでありながらしっかりと反発する性能を実現しています。このインサートを採用した結果、多くのプロゴルファーがこのパターを選択しています。
キャロウェイと契約していないプロゴルファーは自由にパターを選択できますが、かなり多くの選手がホワイトホットOGを使っていることからも人気が高いことがわかります。
ボール:ツアーB XS(ブリヂストン)
ブリヂストンの「ツアーB」シリーズには「X」と「XS」の2種類があり、「X」はより飛距離に焦点をあて、「XS」はスピンにフォーカスしています。金澤志奈選手はXSを使用しています。
JLPGAの公式サイトによると、金澤選手の2023年ドライバーの飛距離データは約229ヤードで全体の85位となっています。それでも飛距離の出やすい「X」を選ばず、「XS」を選ぶのはアプローチなどのスピン性能を意識した選択なのでしょう。
金澤志奈プロは寛容性の高いクラブセッティングを使用している
金澤志奈選手は寛容性が高く使い慣れたクラブを長く使っているようです。
シード選手として2024年も全試合の出場権を獲得している金澤志奈選手。次の目標は初めてのツアー初優勝でしょう。元世界ランクトップの申ジエ選手と合宿を張る仲で、申選手からいろいろとアドバイスを受けているようなので、成果が出てくるのも近いはずです。
力の弱いゴルファーでも参考になるクラブセッティングなので、ぜひこの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。