松山英樹選手が長年使用する「ツアーAD DI」を代表に、数多くのシャフトをラインアップするグラファイトデザイン。
石川遼選手や中島啓太選手、比嘉一貴選手、堀川未来夢選手、今平周吾選手など、国内男子JGTOツアーを代表するトッププロがこぞって愛用するゴルフ用シャフトメーカーです。
今回の記事では、グラファイトデザイン・ツアーADのドライバー用シャフトの特性を、分布図(マトリックス図)を用いて紹介していきます。
ツアーADとは?
松山英樹選手や石川遼選手、中島啓太選手など、数多くの日本人トッププロゴルファーが使用するグラファイトデザイン・ツアーADシリーズ。ツアーADシリーズを生産・販売する『グラファイトデザイン社』は1989年に創業、4年後の1993年よりゴルフ用シャフトを手がけ始めました。
自社ブランドシャフトを製造し始めたのは2002年のことで、以来数多くのツアーADシリーズを発表し、プロアマ問わず数多くのゴルファーに愛用されています。国内男子JGTOツアーにおいては、10年以上にわたって使用率No.1に輝いた実績もあるようですよ。
ツアーは「ゴルフトーナメントツアー」を指し、ADは「Accuracy(正確性)」と「Distance(飛距離)」を指しているそうです。
ツアーADのシャフトを使用する有名プロゴルファー
男子世界ランク(2023) | 名前 | 使用シャフト |
---|---|---|
9位 | ブライアン・ハーマン | ツアーAD IZ |
25位 | ジャスティン・トーマス | ツアーAD VF |
26位 | イム・ソンジェ | ツアーAD DI |
30位 | カート・キタヤマ | ツアーAD UB |
38位 | 松山英樹 | ツアーAD DI |
64位 | ホアキン・ニーマン | ツアーAD DI |
67位 | イ・キョンフン | ツアーAD DI |
71位 | ビクトル・ペレス | ツアーAD IZ |
99位 | トービヨン・オルセン | ツアーAD DI |
103位 | マッケンジー・ヒューズ | ツアーAD DI |
123位 | 中島啓太 | ツアーAD CQ |
149位 | 比嘉一貴 | ツアーAD DI |
212位 | 大槻智春 | ツアーAD DI |
213位 | 今平周吾 | ツアーAD TP |
238位 | 谷原秀人 | ツアーAD CQ |
239位 | 岩田寛 | ツアーAD PT |
271位 | 堀川未来夢 | ツアーAD PT |
277位 | 石川遼 | ツアーAD PT |
ツアーADシャフト(グラファイドデザイン)の分布図と人気10選
グラファイドデザイン・ツアーADのドライバー用シャフトを、分布図(マトリックス図)にまとめました。
人気シャフト1. ツアーAD DI
「ツアーAD DI」の「DI」は「Deep Inpact(分厚いインパクト)」の略称。
シャフトの先端部分に採用されるナノテクノロジーが先端剛性を高め、インパクト時のヘッドのブレの軽減と分厚いインパクトによるエネルギー伝達効率の向上に繋がっています。
その上、癖のない振り抜きやすいシャフトで幅広いゴルファーに合うシャフトとなっているので、初めてのカスタムシャフトにもおすすめ。
発売年は2009年と古いモデルですが、松山英樹選手のようなトッププロや数多くのトップアマが愛用するシャフトでもあります。
使用プロゴルファー
- 松山英樹
- イム・ソンジェ
- ホアキン・ニーマン
- 比嘉一貴
- 大槻智春
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
DI-5 | R2 R1 S X | 54.0 55.0 57.0 60.0 | 4.7 4.7 4.7 4.6 |
DI-6 | SR S X | 64.0 65.0 67.0 | 3.4 3.3 3.3 |
DI-7 | S X | 74.0 75.0 | 3.2 3.1 |
DI-8 | S X | 84.0 85.0 | 3.0 2.9 |
人気シャフト2. ツアーAD PT
石川遼選手や上田桃子選手などのトッププロが使用する「ツアーAD PT」。ツアーADシリーズの基準となるシャフトとして、2005年に生まれたのがこの「PT」です。
「Proto Type(プロトタイプ)」の意味が込められている「ツアーAD PT」は、低スピン・低弾道が特徴的なシャフトとなっており、ヘッドスピードの速い中上級者ゴルファーであれば飛距離アップに繋がりやすいと言えます。
ただし、ヘッドスピードがそこまで速くないゴルファーが「PT」を使用すると、ボールがドロップして反対に飛距離をロスしてしまう可能性もあります。そのためこのシャフトを使用する場合は、ワンフレックス落としたり軽めを選んだりしても良いかもしれません。
シャフトの振り心地としては、硬さは感じるものの全体的に癖はないシャフトとなっています。
使用プロゴルファー
- 石川遼
- 堀川未来夢
- 岩田寛
- 藤田寛之
- 武藤俊憲
- 渡邉彩香
- 上田桃子
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
PT-5 | R2 R1 S X | 52.0 53.0 54.0 56.0 | 5.8 5.8 5.8 5.8 |
PT-6 | SR S X | 62.0 63.0 64.0 | 3.6 3.5 3.5 |
PT-7 | S X | 72.0 73.0 | 3.4 3.3 |
PT-8 | S X | 81.0 83.0 | 3.2 3.1 |
人気シャフト3. ツアーAD IZ
「Into the Zone(=ゾーンに入る)」の意が込められた「ツアーAD IZ」。2023年の全英オープン覇者ブライアン・ハーマン選手などが使用するシャフトです。
「ツアーAD DI」や「ツアーAD PT」とも似た振り心地のシャフトですが、前述2つのシャフトよりも易しくボールを上げられるシャフトとなっています。
また自然とボールが捕まえられる点も「IZ」の特徴であり、初心者〜上級者まで幅広いゴルファーにおすすめできるシャフトと言えます。
使用プロゴルファー
- ブライアン・ハーマン
- ビクトル・ペレス
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
IZ-4 | R2 R1 S | 46.0 47.0 47.0 | 5.6 5.6 5.6 |
IZ-5 | R2 R1 S X | 52.0 54.0 56.0 58.0 | 4.5 4.5 4.4 4.4 |
IZ-6 | SR S X | 62.0 63.0 65.0 | 3.2 3.2 3.2 |
IZ-7 | S X | 72.0 74.0 | 3.1 3.1 |
IZ-8 | S X | 82.0 83.0 | 2.9 2.9 |
人気シャフト4. ツアーAD TP
「ツアーAD TP」は、グラファイトデザインが2016年に発売したシャフトです。「TP」は「Tour Proven(=ツアーでの実績)」という言葉の略称であり、今平周吾選手や安森一貴選手などのプロゴルファーが使用しています。
特徴としては先端剛性が高いことが挙げられ、ミート率の向上と分厚いインパクトによる飛距離アップに繋がりやす口なっています。
また、しなり戻りでの振り遅れが軽減する作りとなっているため、方向性を安定させることにも一役買います。
使用プロゴルファー
- 今平周吾
- 安森一貴
- ジョン・ミジョン
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
TP-4 | R2 R1 S | 46.0 47.0 48.0 | 5.7 5.7 5.6 |
TP-5 | R2 R1 S X | 54.0 56.0 57.0 60.0 | 4.4 4.4 4.4 4.4 |
TP-6 | SR S X | 64.0 65.0 67.0 | 3.2 3.2 3.2 |
TP-7 | S X | 73.0 75.0 | 3.0 3.0 |
TP-8 | S X | 85.0 87.0 | 2.6 2.6 |
人気シャフト5. ツアーAD CQ
「Conquest(=征服する)」の意味が込められる「ツアーAD CQ」。2023年度の国内男子ツアー・横浜ミナトChampionshipで優勝した中島啓太選手などが、こちらのシャフトを使用しています。
従来の「ツアーADシリーズ」は中調子から元調子が主流でしたが、「ツアーAD CQ」は先中調子のシャフトとなっており、つかまりの良さと高弾道を実現しました。軽やかな走り感と力強い高弾道で飛距離アップに貢献します。
スライスがよく出るゴルファーや、つかまりの良いシャフトを探しているゴルファー、高い弾道で飛距離を伸ばしたいゴルファーなどにおすすめです。
使用プロゴルファー
- 中島啓太
- 谷原秀人
- ジュビック・パグンサン
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
CQ-4 | R2 R1 SR | 47.0 48.0 49.0 | 6.1 6.1 6.0 |
CQ-5 | R2 R1 S X | 52.0 53.0 56.0 58.0 | 4.6 4.6 4.5 4.5 |
CQ-6 | SR S X TX | 62.0 64.0 65.0 67.0 | 3.4 3.4 3.4 3.4 |
CQ-7 | S X TX | 72.0 74.0 76.0 | 3.2 3.2 3.2 |
人気シャフト6. ツアーAD XC
「EXtra Carry(=更なる飛距離)」の意が込められる「ツアーAD XC」は、元調子のドライバー用シャフトで、低弾道で捕まらないことが特徴です。
また、シャフト先端部に使用される「トレカ®T1100G」は、インパクト時のパワーロス軽減と先端挙動の安定化に効果があり、打点のバラツキ軽減とボール初速の向上に役立ちます。
フェード系を打ちやすいシャフトではあるもののバックスピン量は少なめなので、力のあるゴルファーでパワーフェードを武器にするような方にとっては非常に魅力的なシャフトであると言えます。
使用プロゴルファー
- 宮里優作
- 金田久美子
- 浜崎未来
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
XC-4 | R2 R1 S | 47.0 47.0 48.0 | 5.7 5.7 5.7 |
XC-5 | R2 R1 S X | 54.0 54.0 56.0 58.0 | 4.3 4.2 4.2 4.2 |
XC-6 | SR S X | 62.0 64.0 65.0 | 3.2 3.2 3.2 |
XC-7 | S X | 73.0 75.0 | 3.0 3.0 |
XC-8 | S X | 83.0 85.0 | 2.8 2.8 |
人気シャフト7. ツアーAD UB
「ツアーAD DI」に似たシャフトであり「DI」よりも低い強弾道が特徴的な「ツアーAD UB」。松山英樹選手は東京オリンピックで、中島啓太選手はアマチュア優勝を果たした2021年パナソニックオープンでこのシャフトを実践投入していました。
「Up and Beyond(=スコアも飛距離もより上に)」という意味が込められている「UB」は、手元側は柔らかく全体的にクセのないシャフトであるため、タメを作るゴルファーにとっては切り返しがしやすいシャフトであると言えます。
また先端部分は硬くなっており、力のあるゴルファーにとってはつかまりが抑えられつつ低中弾道で飛距離が稼げるシャフトになり得ることでしょう。
操作性の高いシャフトであるのでスイングの安定した中上級者ゴルファーにおすすめです。
使用プロゴルファー
- 竹田麗央
- 川岸史果
- カート・キタヤマ
- ジョン・デーリー
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
UB-4 | R2 R1 S | 45.0 47.0 48.0 | 5.5 5.5 5.5 |
UB-5 | R2 R1 S X | 54.0 56.0 57.0 59.0 | 4.4 4.4 4.4 4.4 |
UB-6 | SR S X | 63.0 65.0 66.0 | 3.2 3.2 3.2 |
UB-7 | S X | 74.0 75.0 | 3.0 3.0 |
UB-8 | S X | 82.0 83.0 | 2.8 2.8 |
人気シャフト8. ツアーAD VR
「Vanquish all Rivals(=全てのライバルに打ち勝つ)」の略称である「VR」。手元側は硬く、先端が柔らかめな「走り」系のシャフトであり、高い弾道とドロー系のボールが打ちやすくなっています。
系統としては「ツアーAD CQ」と似ていますが、「VR」は「CQ」よりも捕まりの良いシャフトであると言えます。とは言え全体的にしっかりしたシャフトなので、振りにいくと左右のブレが大きくなると言うわけでもありません。
よく “ハードヒッターは中元調子” と言われますが、手元側のしなり感が苦手なハードヒッターや、ハードヒッターのスライサーなどには「ツアーAD VR」のようなシャフトをおすすめします。
使用プロゴルファー
- ビクトル・ホブラン
- 深堀圭一郎
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
VR-4 | R2 R1 S | 46.0 47.0 47.0 | 5.7 5.6 5.6 |
VR-5 | R2 R1 S X | 54.0 56.0 57.0 60.0 | 4.5 4.5 4.5 4.5 |
VR-6 | SR S X | 63.0 65.0 66.0 | 3.2 3.2 3.2 |
VR-7 | S X | 73.0 75.0 | 3.0 3.0 |
VR-8 | S X | 85.0 86.0 | 2.6 2.6 |
人気シャフト9. ツアーAD HD
「Hyper Drive(=超越した飛距離)」の意味が込められる「ツアーAD HD」。振り感としては「ツアーAD TP」に似ており、「TP」よりも少しだけ先端剛性を高めたシャフトという感じです。しなり感としてはクセがなく、多くの方がスムーズにスイングできることでしょう。
どちらかと言えば捕まりは弱めのシャフトではあるものの、捕まえようとすれば捕まえられるシャフトであり、安定した方向性を求める中上級者ゴルファーにはおすすめしたいシャフトです。
ただし「Hyper Drive」の名にふさわしい飛距離が出るかと言えばそうでもなく、他のシャフトと遜色のない飛距離性能な気もするので、より遠くに飛ばしたい方は別のシャフトを選んでも良いかもしれません。
使用プロゴルファー
- 堀琴音
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
HD-4 | R2 R S | 49.0 49.0 50.0 | 5.8 5.8 5.7 |
HD-5 | R2 R1 S X | 56.0 57.0 59.0 61.0 | 4.5 4.4 4.4 4.4 |
HD-6 | SR S X | 65.0 66.0 68.0 | 3.1 3.1 3.1 |
HD-7 | S X | 74.0 76.0 | 2.9 2.9 |
HD-8 | S X | 86.0 88.0 | 2.6 2.6 |
人気シャフト10. ツアーAD VF
「Victory Force(=勝利の力)」を意味する「ツアーAD VF」。2023年に発売されたばかりのシャフトですが、PGAツアーで活躍するジャスティン・トーマス選手などが使用、中島啓太選手や永野竜太郎選手などもテストをしていたシャフトです。
「ツアーAD DI」よりも若干捕まりやすいシャフトに仕上がっているものの、スピン量は低く低い強弾道のボールが打ちやすいシャフトとなっており、しっかりと振っていきたいゴルファーにおすすめ。
手元調子のシャフトはもたつきを感じることが多いですが、「トレカ M40X」を採用したこのシャフトは降り遅れやもたつきを軽減、強いタメをつくってもスムーズな挙動でタイミングが取りやすいシャフトに仕上がっています。
使用プロゴルファー
- ジャスティン・トーマス
モデル | フレックス | 重量 | トルク |
---|---|---|---|
VF-4 | R2 R1 S | 46.0 46.0 47.0 | 5.6 5.5 5.5 |
VF-5 | R2 R1 S X | 55.0 55.0 56.0 59.0 | 4.3 4.3 4.3 4.3 |
VF-6 | SR S X TX | 64.0 65.0 67.0 68.0 | 3.3 3.3 3.3 3.3 |
VF-7 | S X TX | 74.0 75.0 77.0 | 3.0 3.0 3.0 |
ツアーADのシャフトは性能の高いものが多い
10年以上にわたって国内男子JGTOツアーでの使用率No.1を記録したグラファイトデザイン・ツアーADシャフト。この偉業からもわかる通り、ツアーADシャフトのほとんどが非常に高い性能を誇ります。
特に「ツアー AD DI」や「ツアーAD PT」の2つのシャフトは発売から10年以上の間、松山英樹選手や石川遼選手などのトッププロが愛用し続けています。重さや硬さを調整すれば、どんなゴルファーの方でもお試しいただけるので、ぜひ一度ツアーADシャフトを使用してみてはいかがでしょうか。