河本結(カワモト ユイ)選手は、1998年愛媛県松山市で生まれ、5歳からゴルフを始めました。1998年度に生まれた女子プロは「黄金世代」と呼ばれ、河本選手もその一人となります。この世代では、渋野日向子選手や勝みなみ選手など多くの選手が高校卒業後にすぐにプロ入りしたのに対して、河本選手は2017年に愛媛にある松山聖陵高を卒業後、日本体育大学に進学しています。ただ、大学在学中でもプロ挑戦は続けていて、2018年はステップアップツアーを中心に活動し、同年のプロテストで合格しました。
2019年からはレギュラーツアーに参戦し、同年3月の「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」では2位に5打差をつけ初優勝、2019年通年の賞金ランクが6位になりシード入りを果たしました。翌2020年はよりステップアップするために日本ツアーを離れてアメリカツアーに参戦しましたが、海外での生活が馴染まなかったせいもあり2021年5月から日本ツアーに復帰しました。2023年はメルセデスランキング、賞金ランキングともに80位台でやや苦しいシーズンとなってしまいました。
河本選手は髪をリボンで結んでいるキュートな姿が有名で、多くのファンを惹きつけています。ちなみに男子プロゴルファーの河本力(カワモト リキ)選手は、河本選手の弟です。今回の記事では、そんな河本結選手のクラブセッティング(2024年版)を紹介します。
プロゴルファー・河本結のクラブセッティング(2024年版)
河本結プロはリコーに所属しており、クラブはキャロウェイとスポンサー契約を結んでいます。
メーカー | クラブ名 | シャフト | |
ドライバー(10.5°) | キャロウェイ | パラダイム | SPEEDER NX GREEN 50SR |
フェアウェイウッド (3番16.5°) | キャロウェイ | パラダイム X | SPEEDER NX GREEN 50S |
ユーティリティー (3番19°, 4番22°) | キャロウェイ | XR OS | MCH 70S |
アイアン(5, 6番) | キャロウェイ | APEX PRO | NSプロ モーダス3 プロト |
アイアン(7番~PW) | キャロウェイ | APEX TCB | NSプロ モーダス3 プロト |
ウェッジ(48, 52, 58°) | キャロウェイ | JAWS FORGED | NSプロ モーダス3 プロト |
パター | キャロウェイ | オデッセイ TRI-BEAM パター #1 | |
ボール | キャロウェイ | クロムソフト X |
ドライバー(10.5°):パラダイム(キャロウェイ)
キャロウェイの「パラダイム」には4つのシリーズがあり、河本結プロが使用するスタンダートモデルの「パラダイム」は適度につかまるように設計されています。
その他「パラダイム X」は高弾道とつかまりの良さが特徴的で、「パラダイム◇◇◇(トリプルダイヤ)」はヘッドが小振りで高い操作性を持ち、「パラダイム MAX FAST」は軽量でヘッドスピードが出やすいなど、それぞれのクラブに特徴があります。
どのタイプにも業界初の「360°カーボンシャーシ」技術が採用され、耐久性の高い2種類のカーボンを帯状に成形した新構造で ヘッドの真ん中を従来より軽量化することで、「飛び」と「やさしさ」の向上につながる重量配分を実現しています。
また、スタンダードモデルの「パラダイム」には位置調整ができる約13.5グラムのペリメーターウェイトが装着されていて、弾道を好みのものにチューニングすることもできます。
さらに、アジャスタブルホーゼル(いわゆるカチャカチャ)が採用しているため、ロフト角、ライ角を調整することもできます。ロフト設定は、9°、10.5°、12°の3種類があり、河本結プロは10.5°を使っています。
フェアウェイウッド(3番16.5°):パラダイム X(キャロウェイ)
「パラダイム」のドライバーシリーズと同じようにフェアウェイウッドにも4種類があります。河本結プロはフェアウェイウッドには「パラダイム X」をセッティングしています。
「パラダイムX」の3番ウッドにはロフト角が15°と16.5°のものがあり、河本結プロは16.5°の「パラダイムX(#3HL)」を使用しています。
4つのヘッドの特長もドライバーと同じで、「パラダイムX」はつかまりの良い高弾道のタイプになります。ドライバーのロフト角が10.5°、フェアウェイウッド3番のロフト角は16.5°とロフトが寝ているクラブを使用しているので、河本結プロは高い弾道を求めていることがわかります。
ユーティリティ(3番19°, 4番22°):XR OS(キャロウェイ)
キャロウェイの「XR OS ユーティリティ」は2016年に発売されたクラブです。河本結プロは2022年までは5番ウッドを使用していたのですが、2023年からは「XR OSユーティリティ」の3番に変更しています。2016年に発売されているので、以前から持っていた「XR OSユーティリティ」をセッティングしたのかもしれません。
「XR OS ユーティリティ」は高弾道・ドローバイアス設計により楽にボールを飛ばせる特徴を持っていて、弾道の高さを求める河本結プロには使用しやすいクラブなのでしょう。河本結プロは3番19°と4番22°の2本を使用していますが、このユーティリティには他にも5番~7番まで3°ずつロフト角が増えるクラブがラインアップされています。
アイアン(5番, 6番):APEX PRO(キャロウェイ)
キャロウェイの「APEX PROアイアン」には4番からピッチングウェッジまでがラインアップされており、河本結プロは5番(25°)と6番(29°)をクラブセッティングに組み込んでいます。
2023年9月に発売された「APEX PROアイアン」はロフトの少ない番手(4番と5番)と多い番手(6番からPW)でフェースの素材やつくり方が異なっています。
4番と5番は飛距離とスピンのバランスを重視。AI FLASHフェースを採用し、カーペンター455スチールを鍛造したフェースカップ構造と組み合わせています。6番からPWは軟鉄カーボンスチール鍛造を採用しています。
アイアン(7番~PW):APEX TCB(キャロウェイ)
キャロウェイの「APEX TCB アイアン」はキャロウェイの契約選手の中でも特に人気のシリーズで、2023年のマスターズで優勝したジョン・ラーム選手もこのアイアンを使用しています。
ヘッドサイズがコンパクトでプロが好む優れた操作性を備えています。キャロウェイは “ツアープレーヤーはアイアンに対して寛容性やフィーリングを求めている一方で、高いボール初速は欲していません “としており、「APEX TCB アイアン」はスピン量に重きをおいた設計になっています。
ヘッド内部にMIMタングステンウェイト、バックフェース部にはMIMタングステンプレートがあり、これを番手毎に調整することでツアープロが求める適切なスピン量を実現しています。
ウェッジ(48°, 52°, 58°):JAWS FORGED(キャロウェイ)
新しい「JAWS FORGED ウェッジ」はリーディングエッジが丸みを帯びたクラブになっていて、よりボールを拾いやすくなっています。軟鉄鍛造ウェッジで初めてマイクロフィーチャーを搭載しています。溝と溝の間に小さな凸部をつくり、それが溝に対して斜めに配されているのでより強いスピンを生むことができます。
ヘッドはクロムメッキとチャコールブラックの2種類でフェース面はノーメッキとなっています。ロフト角は46°から60°まで2°ずつラインアップされ、河本結プロは48°, 52°, 58°をクラブセッティングに組み込んでいます。
パター:オデッセイ TRI-BEAM パター #1(キャロウェイ)
「TRI-BEAMパター」はネック部分が三角形のトライアングル状になっていることが最大の特徴です。テニスラケットでフェース部分とグリップ部分の間が2本に分かれていると、芯を外してもフェース面のねじれが少なくボールコントロールしやすいのと同じ原理なので「ラケットホーゼル」と名付けられました。
また、オデッセイの象徴的な技術のホワイト・ホット インサートを搭載し、ソフトでありながらしっかりと反発する性能を実現しています。
ボール:クロムソフト X(キャロウェイ)
キャロウェイの「クロムソフト」シリーズには、「クロムソフト」、「クロムソフトX」、「クロムソフトX LS」があります。河本結プロが使用している「クロムソフトX」はショット時の方向性で高い操作性を発揮します。
「クロムソフトX」は新たにプレシジョンテクノロジー(3D X線技術)を採用してボールの精度を高めました。これによりボール内部のコア位置やサイズ、中間層やカバーの厚みなどのバラツキを減らしています。
また、コアの素材の配合を変更することでボール初速をより高めています。この二つの変更でより満足感の高い性能を引き出しています。
「クロムソフト X」はホワイト以外に、キャロウェイの独自のトリプル・トラック アライメントがあるホワイトとイエローの3種類のボールがあります。
河本結プロのクラブセッティングはロフト角の組み合わせが興味深い
河本結プロのクラブセッティングで興味深いのはロフト角の組み合わせです。
例えば「APEX PRO アイアン」6番が29°なのに対し、「APEX TCB アイアン」7番は34°で、その差が5度になっています。また「APEX TCB アイアン」のピッチングウェッジは46°なのですが、ウェッジは48°, 52°, 58°でロフト角の差が一定ではありません。理由は定かではありませんが、河本結プロなりのこだわりがあるのでしょう。
河本結プロは2023年のポイントの結果、2024年の年間シード権を得られませんでしたが、QT(クォリファイング・トーナメント)で4位(JLPGA公式サイト)になったので、2024年のリ・ランキングが行われるまではレギュラーツアーに出場が可能になっていますので、2024年シーズンの活躍も期待しましょう。