1986年、熊本県熊本市生まれの上田桃子プロは、9歳の頃にゴルフを始めました。熊本県はジュニアゴルファーの育成にとても熱心で、熊本県出身の女子プロゴルファーの優勝回数の合計は他の県を大きく引き離しています。不動裕理プロ、有村智恵プロ、古閑美保プロなどの強い選手が熊本県出身ということで優勝回数が増えるのは当然ですが、プロゴルファーの人数も多い県です。
上田桃子プロはジュニアの育成に定評のある坂田ジュニアゴルフ塾に入塾、高校卒業後の2005年にプロ入りしました。2007年に「ライフカードレディス」でプロ入り初優勝をすると、その年の賞金女王に輝いています。
2008年から2013年まではアメリカツアーを主戦場としてきましたが、2014年からは日本ツアーに復帰。復帰後も一定の成績を残し、直近では2022年の「フジフィルム・スタジオアリス女子オープン」で、同郷の大里桃子プロとのプレーオフの末に優勝をしています。また賞金ランキングも2012年以外は50位以内で、安定した実績を残しています。
今回は、そんな上田桃子プロの2024年版のクラブセッティングを紹介します。
プロゴルファー・上田桃子のクラブセッティング(2024年版)
ZOZO所属の上田桃子プロは、クラブやボールはキャロウェイとスポンサー契約を結んでいます。
メーカー | クラブ名 | シャフト | |
ドライバー(10.5°) | キャロウェイ | パラダイム ◆◆◆ | VENTUS TR RED 50SR |
フェアウェイウッド(3番15°) | キャロウェイ | X HOT PRO | ツアーAD PT 60SR |
ユーティリティー(19°, 23°) | キャロウェイ | APEX UW | VENTUS TR RED 60R |
アイアン(5番) | キャロウェイ | APEX DCB | ダイナミックゴールド95S |
アイアン(6番~PW) | キャロウェイ | APEX(2016年) | NSプロ 950GH SR |
ウェッジ(50°, 54°) | キャロウェイ | X フォージド ミルキークロム | NSプロ 950GH SR |
ウェッジ(60°) | キャロウェイ | JAWS RAW | NSプロ 950GH SR |
パター | キャロウェイ | オデッセイ TRI-BEAM DOUBLE WIDE | |
ボール | キャロウェイ | クロムソフト X |
ドライバー(10.5°):パラダイム ◆◆◆(キャロウェイ)
キャロウェイ「パラダイム」シリーズには、「パラダイム MAX Fast」、「パラダイム X」、「パラダイム」、そして「パラダイム◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」の4種類がラインアップされています。
「パラダイム MAX Fast」が高弾道・ドロー系のボールが打ちやすいドライバーとなっており、「パラダイム X」「パラダイム」「パラダイム◆◆◆」の順に低弾道・フェード系のボールが出やすくなるよう設計されています。
「パラダイム」全シリーズに共通している技術は業界初の360°カーボンシャーシの採用で、クラウン側をトライアクシャルカーボン、ソール側をフォージドカーボンになっていてヘッド部分には金属部分がありません。また、スリムになったJAILBREAKテクノロジーにより、約25%軽量化されながらフェース全体でボールスピードを向上させています。さらに新しいAI FLASHフェースにより打点などがずれても狙ったターゲットへと飛んでいくようになっています。
「パラダイム◆◆◆」はシリーズの中でもっともヘッドが小ぶりで、プロが好む高い操作性を実現しています。また、「パラダイム◆◆◆」だけがソールにもスクリューウェイトを装着していて、スピン量の調整が可能になっています。ロフト設定は8°, 9°, 10.5° の3種類があり上田桃子プロは10.5° のドライバーを使用しています。
フェアウェイウッド(3番15°):X HOT PRO(キャロウェイ)
キャロウェイ「X HOT PRO」は2013年に発売されたフェアウェイウッドで、翌2014年にはすぐに改良タイプのキャロウェイ「X2 HOT PRO」が発売されています。上田桃子プロが長期間にわたりこのフェアウェイウッドを使っているのは、それだけ自身にあったフェアウェイウッドだということなのでしょう。
このシリーズには「X HOT」と「X HOT PRO」の2種類があり、「X HOT PRO」はヘッドが小さく設定されていて上級者やプロの好むクラブとなっています。
ユーティリティー(19°, 23°):APEX UW (キャロウェイ)
「APEX UW ユーティリティー」はフェアウェイウッドの打ち出し角とスピン性能の高さ、ユーティリティーが持つ操作性の良さを掛け合わせたクラブになっています。
また「PARADYM」シリーズのユーティリティーに採用されているカットウェーブ・プロ・ソールデザインが「APEX UW」にも導入され、ソールのセンターから後方に向けて作られたU字状の浅めの溝により、どんなライからでも安定した振り抜きができるようになっています。
このユーティリティーにはロフト角17°, 19°, 21°, 23°がラインアップされており、上田桃子プロは19°と23° をセッティングに組み込んでいます。
アイアン(5番):APEX DCB(キャロウェイ)
「APEX DCB」アイアンの「DCB」とは、Deep Cavity Back(ディープ・キャビティ・バック)の略で、キャビティバックが深くワイドソールになっており、やさしさを重視した飛び系軟鉄鍛造アイアンモデルです。
このモデルはキャロウェイ独自のテクノロジーのタングステン・エナジー・コアを採用しており、ヘッドの重量配分を最適化できます。この結果、ボールが上がりやすく、ミスヒットにも強いヘッドとなっています。
上田桃子プロは5番のみこのアイアンをセッティングしています。6番以下には「APEX」アイアンをセッティングしていることから、長い距離を狙うクラブとしては「APEX DCB」の性能の方が適していると考えられます。
アイアン(6番~PW):APEX(2016年)(キャロウェイ)
鍛造アイアンで初めて、AIデザインのFLASHフェースカップを搭載した「APEX」アイアンは、ボール初速の向上と、番手毎に最適スピン量が得られるように調整されています。
またキャビティバックにも関わらず、ややオフセットがついていてヘッドの上部のトップラインはちょうど良い厚みに設計されています。
飛距離、打ちやすさ、正確性、フィーリング、そして構えたときの見た目。すべてにおいて今までのアイアンにはない特性を備えているのがキャロウェイの「APEX」アイアンです。
ロフトは6番から26.5°, 30.5°, 34.5°, 38.5° となっていて、ピッチングウェッジのみ43° になっています。
ウェッジ(50°, 54°):X フォージド ミルキークロム(キャロウェイ)
キャロウェイ「X FORGED ウェッジ]は2007年に発売されたシリーズで、上田桃子プロは、52°と56° をを使い続けています。微妙な感覚が大切なウェッジは、同じタイプのものを使うプロが多いのですが、上田桃子プロもこのウェッジが自分に最もあっているのでしょう。
ウェッジ(60°):JAWS RAW(キャロウェイ)
「JAWS RAW」ウェッジは「JAWS」ウェッジをあらゆる面で進化させた新しいモデルで、キャロウェイ独自の37Vグルーブ、そして斜めに配されたマイクロフィーチャーが強烈なスピン性能を生み出します。
上田桃子プロは2023年に「JAWSフォージド(2021年モデル)」からこのタイプに変更をしています。
パター:オデッセイ TRI-BEAM DOUBLE WIDE(キャロウェイ)
オデッセイ「TRI-BEAM」の最大の特徴はラケットホーゼルです。シャフトとパターヘッドがつながっているネックの部分が三角形のプレート状になっていて、この形を採用することでパッティングで芯から外れてもボールがブレずに真っすぐに行きやすくなります。
テニスラケットはシャフトとラケット面のつながっている部分が二股に分かれている方が安定したボールを打てるので、このテニスラケットからラケットホーゼルと名付けられています。
「TRI-BEAM」パターは6つのヘッドラインアップがあり、上田桃子プロはヘッドの奥行きが長いダブルワイドを使用しています。
ボール:クロムソフト X
キャロウェイのツアーボールには、「クロムソフト」、「クロムソフトX LS」、「クロムソフトX」の3モデルがあります。
上田桃子プロが使う「クロムソフトX」は、打感・スピン量・飛距離のミドルバランスタイプです。「クロムソフト」は最も打感がソフトで、「クロムソフトX LS」はショットの時のスピン量が少ないため、中弾道で飛距離とランがでるボールです。
上田桃子プロの他、石川遼プロや、河本結プロなどもこの「クロムソフトX」を使用しています。
これからも活躍を期待したい上田桃子プロ
上田桃子プロは、一時期、宮里藍選手や横峯さくらプロと試合では火花を散らしていましたが、ほぼ同年代の3人は個人的にはとても仲が良いそうです。国内ツアーの優勝回数は横峯プロが23回、上田プロが16回、宮里選手が14回です。宮里選手はアメリカツアーに長い間、挑戦していたので日本ツアーの優勝回数は少なめです。
現在、宮里選手は既にツアーからは引退していますし、横峯プロは2023年は不調で予選落ちが多く、2024年はQTランキング40位でレギュラーツアー全試合への出場が微妙です。そんな中、上田プロは2023年のメルセデスランキングは37位で2024年のシード権を確保しています。当時の3人の活躍を知る世代のゴルファーは上田プロへの応援の気持ちも強いものがあります。
若い選手が続々と登場しているJLPGAのツアーの中で奮闘しているベテランの上田桃子プロを応援しましょう。