原英莉花プロは畑岡奈紗プロや渋野日向子プロ、小祝さくらプロなどと同年代で、この世代のプロゴルファーは「黄金世代」と呼ばれています。
高校時代からジャンボ尾崎に師事するジャンボゴルフアカデミーの一員で、2019年の「リゾートトラストレディス」で初優勝を果たした後、翌年の2020年には「日本女子オープン」でメジャー大会の優勝を勝ち取りました。
2023年5月に腰のヘルニア摘出手術を受けたことを明らかにしました。約2年半にわたってヘルニアによるさまざまな症状に悩まされていたそうですが、少しずつ調子も戻ってきているようです。今回は、そんな原英莉花選手のクラブセッティングを紹介しましょう。
原英莉花プロのクラブセッティング(2023年版)
原英莉花プロは特定のメーカーとクラブ使用に関する契約を結んでいません。つまり、番手毎に自分の好みのクラブを選択できるということ。
穴井詩プロや宮里美香プロなどの有名プロもクラブに関する契約をしていませんが、自分が使用するクラブにこだわりがある選手はクラブ契約をしないことも多いようです。
2023年現在、原英莉花プロは下記のようなクラブセッティングでツアーを戦っています。
メーカー | クラブ名 | シャフト | |
ドライバー(9.0°) | コブラゴルフ | コブラ キング LTDx LS | マミヤ ATTAS V2-5(S) |
フェアウェイウッド(14.5°) | コブラゴルフ | コブラ キング LTDx LS | マミヤ ATTAS V2-5(S) |
フェアウェイウッド(18°) | キャロウェイ | エピック SPEED | マミヤ ATTAS V2-5(S) |
ユーティリテイー(21°, 23°) | キャロウェイ | APEX UW | マミヤ ATTAS V2-7(S) |
アイアン(5番~9番) | コブラゴルフ | コブラ キング CB/MB | マミヤ ATTAS FF85 |
ウェッジ(45°, 50°, 58°) | ゾディア | ゾディア プロトタイプ | |
パター | オデッセイ | トゥーロン サンディエゴ | |
ボール | ブリヂストン | TourB X |
ドライバー:コブラ キング LTDx LS (9.0°)(コブラゴルフ)
コブラゴルフはアメリカを本拠地するメーカーで、 2010年に「プーマ」と統合しました。
コブラゴルフのドライバー「LTDx」シリーズには「LTDx」「LTDx LS」「LTDx MAX」という3種類のクラブがあり、原英莉花プロが使用する「LS」はロースピンタイプ・ハードヒッター向けのドライバーです。
原英莉花プロは、穴井詩選手、葭葉ルミ選手に続く第3位(※)と、国内女子プロの中ではトップクラスの飛距離の持ち主です。ヘッドスピードも45m/sであり、女子プロ平均42~43m/sに比べると、かなり速いヘッドスピードであることがわかります。
※2022年終了時のデータ
フェアウェイウッド(3番):コブラ キング LTDx LS (14.5°)(コブラゴルフ)
原英莉花プロは、フェアウェイウッドもドライバーと同じスペックのものを使用しています。
高い球の打ちやすさやミスへの許容性など寛容性の高さでは、スタンダードタイプの方が優れているはずですが、原英莉花プロほどのヘッドスピードがあれば、ロースピンタイプでも問題なく球が上がるのだと考えられます。
ドライバーでのヘッドスピード45m/s前後の男性は、原英莉花プロのようにロースピンタイプの「KING LTDx」を使用してみても良いかもしれません。
フェアウェイウッド(5番):エピック SPEED(18°) (キャロウェイゴルフ)
キャロウェイゴルフの「エピック SPEED」は、飛距離性能にこだわり作られたフェアウェイウッドです。ミスショットにも寛容であり、多少トップしたとしても大きな飛距離が得られます。
ドライバーとスプーンはコブラを使用しながら、5番ウッドには「エピック SPEED」を使っている理由としては、ミスショットに寛容な特性を活かして、ロングホールでのセカンドなどグリーンを狙う際に使用したいからではないかと考えられます。
ユーティリティ:APEX UW(21°, 23°)(キャロウェイゴルフ)
キャロウェイの「APEX UW」は、2023年9月時点で男子下部ツアー(Abemaツアー)賞金ランキングトップを走る生源寺龍憲プロも使用するクラブです。
フェアウェイウッドの飛距離に加えて、止まるボールが打てるというコンセプトを持ち、「高い打ち出し角」、「大きい落下角度」、「精密なコントロール性能」を実現します。
コンセプトを見て分かるかもしれませんが、このクラブはユーティリティーとフェアウェイウッドの長所を兼ね揃えたクラブという立ち位置であり、キャロウェイゴルフ公式サイトにおいても、ユーティリティーではなくフェアウェイウッドのページに掲載されています。
アイアン(5番~9番):コブラ キング CB/MB(コブラゴルフ)
コブラ「キングCB/MB」アイアンは、4番~6番がCB(キャビティバック)、7番~PWがMB(マッスルバック)を基本構成とするアイアンセットです。原英莉花プロは、5番と6番をCB、7番~9番をMBという構成で使用しています。
キャビティーバックは寛容性が高く飛距離も出しやすいことが特徴的で、マッスルバックは飛びすぎずコントロール性能が高いことが特徴的。
珍しいアイアンセットですが理にかなっているセットで、ある程度腕に自信のあるゴルファーにはおすすめです。
ウェッジ(45°, 50°, 58°):ゾディア プロトタイプ(ゾディア)
ゾディア(Zodia)は日本の地クラブメーカーで、特にウェッジには定評があります。ゾディアの特徴は卓越した研磨技術で、職人技としての研磨にはファンが多く存在しています。
原英莉花プロが使用しているウェッジはプロトタイプで一般には販売されていないタイプですが、市販されているクラブの品質も非常に高く、豊富なラインナップの中から選べるので、ご自身に合うウェッジが見つけられるはずですよ。
パター:トゥーロンパター サンディエゴ(2022)(オデッセイ)
原英莉花プロは、2022年版の「トゥーロン サンディエゴ」を使用しています。キャロウェイ公式サイトによると、トゥーロンパターには「ダイヤモンドパターン(ひし形)の溝が深くミーリングされ、さらに、ダイヤモンドパターン内部に小さな溝が入ったダイヤモンドミル・フェースが採用されています」と紹介されています。
原英莉花選手は「トゥーロン」パターを2020年から使用しており、2020年「日本女子オープン」で優勝した際もこのパターを使用していました。
ボール:TOUR B X(ブリジストン)
原英莉花プロはブリヂストンの「TOUR B X」を使用しています。ゴルフクラブは契約していませんが、ゴルフボールは2019年からブリヂストンと契約して「TOUR B X」を使い続けています。
ブリヂストンのTOUR Bには「X」と「XS」がありますが、より飛びに焦点を当てた「X」を使用しています。
原英莉花プロのクラブセッティングは男性ゴルファーの参考にも◎
原英莉花プロはデビュー当初の2019年から2021年まではミズノが中心のクラブセッティングでした。2022年にドライバーをキャロウェイの「ローグ ST MAX」に、アイアンを「X FORGED STAR アイアン」に変更したことを足掛けに、クラブ契約をフリー契約にし、今回後紹介したコブラをメインにしたクラブセッティングに変遷しています。
フリー契約の選手は、自分のゴルフスタイルにあったクラブを探して、よりよい成績を残したいと思っています。そのためには敢えてクラブ契約をしない、という選択肢を取っているのです。
原英莉花プロのクラブセッティングとしては、ドライバーやウッド、ロングアイアンには、飛距離を重視したクラブを入れていること、ショートアイアンやウェッジにはより精度高くグリーンを狙えるようやや難しめで操作性の高いクラブを入れていることが特徴的だと言えます。
中上級者で力のある男性には参考になるクラブセッティングだと言えるので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。