京都府京都市出身、2003年5月生まれの川﨑春花選手は、父と姉の影響で7歳からゴルフを始め、 2017年全国中学生ゴルフ選手権春季大会で9位、IMGA 世界ジュニアゴルフ選手権・フロリダチャレンジ女子14歳以下の部4位入賞の成績を残しています。
その後、大阪学院大学高等学校に進学し、2020年度全国高等学校ゴルフ選手権春季大会では優勝、2021年にアマチュアとして参戦した「日本女子オープンゴルフ選手権」で11位の成績を残す活躍をみせ、その年の11月にはJLPGAのプロテストに一発で合格しました。
プロデビューの2022年9月には「日本女子プロゴルフ選手権」でツアー初優勝を遂げ(大会最年少の19歳で)、その年の10月には「マスターズGCレディース」でも2勝目をあげました。
今回の記事では、そんな川﨑春花プロの2024年版のクラブセッティングを紹介していきます。
プロゴルファー・川﨑春花のクラブセッティング(2024年版)
川﨑春花プロは村田製作所に所属し、ボールはブリヂストンと使用契約を結んでいますが、クラブは特定のメーカーとのスポンサー契約はしていないようです。
自分に最も合っているクラブを使いたい選手は、クラブについて契約フリーを選択する選手も多くいますので、川﨑春花プロもその中の一人といえるでしょう。
メーカー | クラブ名称 | シャフト | |
ドライバー(10.5°) | テーラメイド | SIM グローレ | イミドアンドサンズ |
フェアウェイウッド (3番15°, 5番18°) | テーラメイド | SIM グローレ | ATTAS MB-FW 50S |
ユーティリティー (5番25°, 6番28°) | ダンロップ | スリクソン ZX Mk II ハイブリッド | TR ハイブリッド 70S |
アイアン(6番-PW) | ミズノ | ミズノプロ 719 | LEXIA IL7 LT |
ウェッジ(48°, 52°, 58°) | キャロウェイ | JAWS RAW | NSプロ 850GH neo |
パター | キャロウェイ | オデッセイ Ai-ONE MILLED SIX T | |
ボール | ブリヂストン | TOUR B X |
ドライバー(10.5°):SIM グローレ(テーラーメイド)
2020年に発表された「SIMグローレ」は、「やさしさは飛びやすさ」をコンセプトに日本のゴルファー向けに開発されました。前作の「Mグローレドライバー」のつかまりが良く、スライスしにくいという良さを引き継ぎながら、飛距離性能や直進性を進化させています。
「SIMグローレ」は下記のような技術的特徴をもっています。
- ドローバイアス イナーシャジェネレーター:空力性能に優れ、振りやすさを実現
- NEW スピードインジェクション:ミスに強く、曲がらないショットを可能にする技術
- ZATEC チタンフェース:反発性能が高く、広いスイートエリアを実現
- 貫通型スピードポケット:高初速エリアを拡大し、バックスピンを軽減することで飛距離のアップを実現
- スピードブリッジ HT:ボールへのエネルギー伝達効率を上げ、スイートエリアを拡大
- L型ICT フォージドフェース:フェース厚の肉薄化を実現し、直進性を可能に
- C300マレージング鋼:フェースの反発が良く、球をつかまえやすさが向上
- Vスチールテクノロジー:ソール部がよりフラットで摩擦を軽減
SIMグローレはヘッドスピードが40m/s程度のゴルファー向けに設計されているので、男性アマチュアにも適したドライバーといえます。
また、川﨑春花プロがドライバーに装着している「イミドアンドサンズシャフト」は、ジャンボ尾崎プロも使用している超高級シャフトです。イミドアンドサンズは、従来の理論である「Flex Consistency(硬さの一貫性)」を守りながら、ジャンボ尾崎プロと改良を重ね、操作性を高めることに特化したアイアンシャフトです。
女子プロでは川﨑春花プロの他、笹生優花プロらがこのシャフトを使用しています。
フェアウェイウッド(3番15°, 5番18°):SIM グローレ(テーラーメイド)
「SIMグローレ」のフェアウェイウッドは、ドライバーと同じコンセプトで日本向けに開発されたクラブです。
重心角はドライバーに合わせられており、ドローバイアス設計でつかまりの良さと振り抜きの良さを両立しています。ドライバーと同じように振りやすく、イメージ通り弾道をそろえやすいフェアウェイウッドです。
技術的には「C300 ツイストフェース」という、高強度のC300 マレージング鋼と、フェアウェイウッド専用設計の「ツイストフェース」により「飛距離」と「直進性」を高いレベルで実現しています。
また、ドローバイアスに設計されたソールデザインが地面との摩擦を軽減しつかまりのよさと振り抜きのよさを両立。し、フェース下部の反発力を向上させる「貫通型スピードポケット」をドライバーと同じように搭載しています。
川﨑春花プロはロフト角15°の3番ウッドと18°の5番ウッドをセッティングしています。
ユーティリティー(5番25°, 6番28°):スリクソン ZX Mk II ハイブリッド(ダンロップ)
「スリクソン ZX Mk II ハイブリッド」は、剛性の低いエリアと剛性の高いエリアを交互に配置した4層構造の「REBOUND FRAME Mk II」を採用。これにより、フェースの大きなたわみを生み出し反発性能が大きく向上しました。この技術はドライバーにも採用されています。
また、余剰重量をソール後方に配置した深低重心設計なので、慣性モーメントの拡大と高打ち出しによる安定したスピン量も期待できるクラブになっています。
このユーティリティは、尾関彩美悠プロなどのクラブセッティングにも入っています。
アイアン(6番~PW):ミズノプロ 719(ミズノ)
川﨑春花プロは、アイアンには「ミズノプロ 719」をセッティングしています。
「ミズノプロ 719」のヘッド部分は強度の高い軟鉄ボロン鋼を使った「グレインフローフォージドHD」で製造されており、打球音を長く響き渡らせ、インパクトの感覚がわかりやすくなっています。
また製造工程で発生するバリを削減することで、ヘッド内部の鍛流線を打球部に密集させ、従来品に比べてさらに打球音が長く響くようにして、打感をアップさせています。
ウェッジ(48°, 52°, 58°):JAWS RAW(キャロウェイ)
キャロウェイの「JAWS」ウェッジには川﨑春花プロが使用している「JAWS RAW」と、「JAWS Forged」の2つのタイプがあります。「JAWS RAW」にはZ、S、X、Wの4タイプのグラインドがあり、「JAWS Forged」は軽量タイプ1種類のグラインドのみであり初心者向けと言えます。
「JAWS RAW」のグラインドZとSはレベルブローに打つゴルファーに適していて、開いて構えるゴルファーにはZ、スクエアに構えるゴルファーにはSが適しています。XとWはダウンブローに打つゴルファーに向いていて、同じように開いて構えるゴルファーはX、スクエアに構えるゴルファーはWを選択するとよいでしょう。
パター:オデッセイ Ai-ONE MILLED SIX T(キャロウェイ)
オデッセイの「Ai-ONE MILLED SIX T パター」は2023年11月3日に発売されました。
2023年は「トゥーロン サインディエゴ」を使用していた川﨑春花プロですが、2024年初戦のダイキンオーキッドレディスではこのパターに変更しています。
キャロウェイのフェーステクノロジーですでに大きな実績を挙げているAI設計をオデッセイのパターに導入し、打点が1cmずれても、ボールスピードの減少を約5%(10mで50cm)に抑えるインサートを開発。川﨑春花プロも使用するニューモデル「Ai-ONE MILLEDパター」にはこの技術が搭載されています。
ボール:TOUR B X(ブリヂストン)
ブリヂストンは2024年2月に「ツアーB X」と「ツアーB XS」をリニューアルしました。
このリニューアルにより、フルショットで「高初速×低スピン」、アプローチショットでは「低初速×高スピン」という今までの「スピード&スピンコントロールテクノロジー」の考え方を継承しつつ、タイガー・ウッズが求める「ディープ感」を向上させています。
「ディープ感」とはタイガー・ウッズが要求する性能表現で、ウレタンカバーに新たな制音・衝撃吸収材を配合した
「NEW リアクティブ iQ ウレタンカバー」を採用し、前モデルから継承する「乗り感」に加え「軟らかな打音」を組み合わせたトッププロが求める打感を実現しています。
川﨑春花プロは自らの感覚にこだわったクラブセッティングを使用している?
プロゴルファーは必ずしもメーカーから用具を提供してもらう契約をしているとは限りません。シードでツアーに参加している女子プロでも特定のメーカーと契約していない選手は多く、川﨑春花プロもその中の一人です。ただし、ボールについてはブリヂストンとスポンサー契約をしています。
契約をしていない選手の多くは自分のクラブの選択にこだわりがあり、一つのメーカーでセットを揃えるのではなく、自分のフィーリングにあったクラブをメーカーに関わらず選択したい、という気持ちがあるからのようです。川﨑選手もウッド系はテーラーメイド、ユーティリティーはダンロップ、アイアンはミズノ、ウェッジはキャロウェイ、とバラバラの選択です。
パターを除くすべてのクラブは同じメーカーの方が良い、という考え方もありますが、川﨑春花プロのように自分にあったクラブをバラバラに選択するのも良いかもしれません。
ぜひアマチュアゴルファーの皆様も、川﨑春花プロのクラブセッティングを参考にしてみてください。