JLPGA(国内女子ツアー)で人気を誇り、ツアー通算9度の優勝を誇る小祝さくら選手。2023年7月に地元北海道で開催された「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」では、悲願の地元優勝も成し遂げました。
今回は、畑岡奈紗選手や渋野日向子選手などと肩を並べる「黄金世代」の代表選手の1人・小祝さくらプロの2023年ばんクラブセッティングをご紹介します。
小祝さくらプロのクラブセッティング(2023年版)
小祝さくら選手のクラブセッティングは、ドライバー、フェアウェイウッド1本、ユーティリティー2本、アイアン6本、ウェッジ4本、パターの組み合わせとなっています。
※小祝さくら選手は試合によって、フェアウェイウッドを追加してユーティリテイーを減らすなど、コースの状況やコンディションによってセッティングの構成を変えています。
( ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ最終日でのクラブセッティング)
メーカー | クラブ名 | シャフト | |
ドライバー(9.5°) | ダンロップ | スリクソン ZX7 Mk II | TENSEI プロ ホワイト 1K(硬さS、長さ45インチ、50グラム台) |
フェアウェイウッド3番(15°) | ダンロップ | スリクソン ZX Mk II | ディアマナ ZF |
ユーティリティ(19°, 22°) | ダンロップ | スリクソン Z H85 ハイブリッド | ディアマナ サンプ ハイブリッドシャフト90S |
アイアン(5番 – 9番, PW) | ダンロップ | スリクソン ZX7 Mk II | ダイナミックゴールド85 S200 |
ウェッジ(48°, 50°, 58°) | クリーブランド | RTX-3 (ブレードタイプ) | ダイナミックゴールド85 S200 |
パター | キャロウェイ | TRI-BEAM #7 | |
ボール | ダンロップ | スリクソン Z-STAR XV |
ドライバー:スリクソン ZX7 Mk II ドライバー(ダンロップ)
小祝さくら選手は、ドライバーには「スリクソン ZX7 Mk II(9.5度)」を使用しており、シャフトには「TENSEI プロ ホワイト 1K」を装着しています。
「スリクソン ZX」シリーズは松山英樹選手、星野陸也選手、山下美夢有選手、畑岡奈紗選手らも使用しています。
松山英樹選手などが使用する「ZX5」は、重心を深く設計した慣性モーメントの大きさが特徴でつかまりが良く、小祝さくら選手などが使用する「ZX7」は、重心はやや浅く設計し低スピンの強弾道を実現しています。
正確性の高い選手の揃うJLPGAツアーでは、飛距離が大きなアドバンテージになるため、小祝選手は低スピン強弾道でより大きな飛距離性能を求めているのでしょう。
またシャフトの「TENSEI Pro White 1K」は手元調子のシャフトでハードヒッター向けに開発されたものです。小祝選手のドライバー飛距離は平均240ヤードですので、女子プロの中では平均的な飛距離ですが、手元調子が気に入っているのかもしれません。
フェアウェイウッド:スリクソン ZX Mk II フェアウェイウッド3番(15°)(ダンロップ)
小祝さくら選手は、山下美夢有選手や畑岡奈紗選手と同じく、ドライバーと同シリーズ「スリクソン ZX Mk II」のフェアウェイウッドを使用しています。またシャフトには「ディアマナ ZF」を装着しています。
「スリクソンZX Mk IIフェアウェイウッド」は高弾道を実現しやすく、より正確なショットが打てるように設計されていて、アマチュアでもミスが少なく打てるクラブとなっています。
小祝さくら選手は、3番のフェアウェイウッドは常時使用していますが、5番ウッドはゴルフ場の設計や状態によってユーティリティに入れ替えているようですよ。
ユーティリティ:スリクソン Z H85 ハイブリッド #3(19°), #4(22°)(ダンロップ)
アイアンセットを購入しようとすると、7番アイアンからピッチングウェッジまでがセットになっていて、6番や5番はオプションになっているケースが増えています。これはアイアンのロフトが昔に比べて立っていて(パワーロフト)、パワーロフトのアイアンが打ちづらくなってきているからです。
このため、ユーティリティーやハイブリッドと呼ばれるウッドとアイアンの中間のようなクラブが誕生したのです。
男子プロの場合は、3番アイアンからセットしているケースが多いですが、非力な女子プロは3番や4番をユーティリティーにしていることが多いです。
小祝さくら選手もクラブセッティングの中にユーティリティーを入れて長い距離を打つ際の正確性を高めています。シャフトは「ディアマナ サンプ ハイブリッドシャフト90S」を装着しています。
アイアン:スリクソン ZX7 Mk II アイアン(5-9番, PW) (ダンロップ)
ZX7 Mk2アイアン」はバックフェースセンターを肉厚にして、より打感を良くした構造になっています。小祝さくら選手の他、畑岡奈紗選手などもこのシリーズのアイアンを使用しています。
小祝選手は「スリクソン ZX7 Mk II アイアン」に「ダイナミックゴールド85 S200」のシャフトを装着しています。
女子プロの場合、ダイナミックゴールドを装着する例はあまり多くありませんが、小祝選手は、体の強化とともに固いシャフトの方が自分のスイングあっていることに気がついて、カーボンシャフトから変更したそうです。
ウェッジ:クリーブランド RTX-3 ウェッジ ブレードタイプ (48°, 50°, 58°)
クリーブランド「RTX-3 ウェッジ」は2017年2月に発売されたウェッジで、小祝さくら選手は2019年からずっと使用しています。
プロゴルファーはウェッジについて長く同じものを使っていることが多いようです。理由としては、アプローチはフェースの感覚やスピンのかかり具合などがとても繊細なので、ウェッジはあまり変えたくないためだと考えられます。
小祝選手が使用しているスリクソン「ZX7 Mk II アイアン」のPWはロフトが46°です。クリーブランド RTX-3 ウェッジが48°ですので2°しか差がありません。しかし、小祝選手は使い慣れているこのクラブのロフト寝かせて距離感を調整しています。つまり、48°を49~50°、50°を51~52°に調整して距離を合せているのです。
パター:ODYSSEY TRI-BEAM #7パター(キャロウェイ)
小祝選手は2023年4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」からこの「ODYSSEY TRI-BEAM #7」パター使用しています。
そして「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」で優勝したときは、「ショットが平均して安定していたのと、長いパットが4日間を通して何個か決まってくれたことが大きかった」と、このパターが優勝の要因の一つだと語っています。
「TRI-BEAMパター」の特徴は、新しい形状のホーゼルです。ホーゼルとはヘッドとシャフトつないでいる部分のことで、写真の三角形の部分です。この形を採用したことで、ミスヒットしても捻じれが少なくなるので、狙った方向に転がるようになります。
女子プロの試合でよく見かける三角形のパター(テーラーメイド トラスTB1トラスヒールパター)も同じ原理でミスヒットに強いと言われています。
ボール:スリクソン Z-STAR XV(ダンロップ)
女子ツアープロの使用ボールは「スリクソン Z-STARシリーズ」、「タイトリスト プロV1シリーズ」、「ブリヂストン ツアーBシリーズ」が大勢を占めています。Z-STARシリーズは松山英樹選手がマスターズで優勝したことで人気が爆発しました。
その後も2022年女子ツアー賞金王の山下美夢有選手や岩井姉妹も「スリクソン Z-STAR XV」を使用しています。
Z-STARシリーズは「Z-STAR」と「Z-STAR XV」があり、前者はソフト系、後者のXVはディスタンス系と言われていて、女子プロではXVに人気がありますが、アマチュアにも使いやすいボールになっています。
小祝さくらプロのクラブセッティングはアマチュアにも参考になる!
今回の記事では、国内女子ツアーの実力者で人気の高い小祝さくら選手のクラブセッティングを紹介しました。
アマチュアのアベレージゴルファーは「男子ツアープロのクラブセッティングはレベルが高すぎて参考にならない」という声も多いですが、女子ツアープロのクラブセッティングは参考になることも多いと思います。
ぜひこの記事で紹介した小祝さくらプロのクラブセッティングを参考に、ご自身のクラブセッティングを見直してみてはいかがでしょうか。