岩井明愛(あきえ)選手は双子の岩井千怜(ちさと)選手の姉で、昨年2022年に初優勝した千怜選手に続いて、2023年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」で初優勝を飾りました。
その後、「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」と「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で連続優勝を飾り、昨年の千怜選手の活躍とともに「岩井ツインズ旋風」と言われています。
岩井明愛選手はドライバーの平均飛距離はJLPGA所属選手の中で6位の256Yで飛ばし屋として知られています。試合中にときどき見せる直ドラはファンの間でも話題の一つになっていて、2023年5月に開催された「RKB×三井松島レディス」の最終日、優勝を決めるプレーオフでトライした勝負どころの直ドラは喝采を浴びていました。
今回は、そんな岩井明愛選手のクラブセッティング(2023年版)を紹介していきます。
岩井明愛プロのクラブセッティング(2023年版)
岩井明愛選手はHONDA所属ですが、クラブはヨネックス、ボールはダンロップの住友ゴムと契約をしています。
ヨネックスというと石川遼選手がプロになったときに契約したことで有名ですが、現在は岩井姉妹の他に若林舞衣子選手などが契約をしています。
メーカー | クラブ名 | シャフト | |
ドライバー(9.0°) | ヨネックス | EZONE GT 450 | レクシスカイザM-5(S) |
フェアウェイウッド 3,5番(14.5°, 18°) | ヨネックス | EZONE GT | レクシスカイザM-6(S) |
アイアン 5番(21°) or 6番(23°) | ヨネックス | EZONE FS | レクシスカイザi-8(S) |
アイアン (5番~PW) | ヨネックス | EZONE CB511 | NSプロ950GH・neo(S) |
ウェッジ (50°, 54°, 58°) | ヨネックス | EZONE W501 | NSプロ950GH(S) |
パター | テーラーメイド | スパイダー X カッパーホワイト スモールスラント | |
ボール | ダンロップ | スリクソン Z-STAR XV |
ドライバー(9.0°):EZONE GT 450(ヨネックス)
EZONE GT シリーズは2022年3月に発売されたドライバーで、GT425とGT450の2種類があります。425はヘッドの体積が425ccで、450は450ccになっています。岩井明愛選手はGT450を使用していますが、妹の千怜選手はGT425を使用しています。
EZONE GTシリーズはアスリート向けに設計されたドライバーで、EZONE GT450は比較的大きめのヘッドの体積を持たせることで、操作性より直進性を重視し、分厚いインパクトができるように設計されています。
また、ヨネックスはテニスやバドミントンのラケットを製造していることもあり、フレームに使用されているカーボン技術は非常に優れています。この技術を利用した独自のシャフトがオリジナルシャフトとして利用されています。
ヨネックス社は、レクサスカイザMの特徴を「手元剛性の高さで中間部からシャフトを走らせ、大型ヘッドも対応するべく、先端剛性を高めることで、当たり負けせず飛距離を伸ばしたい方向けのカーボンシャフト」と説明しています。
フェアウェイウッド 3,5番(14.5°, 18°):EZONE GT(ヨネックス)
フェアウェイウッドは、ドライバーと同じヨネックス「EZONE GT」を使用しています。3番ウッドは通常は15°ですが、岩井明愛選手はロフトが立った14.5°を使用しています。
フェアウェイウッドEZONE GTの最も大きな特徴は、スラントグルーブフェースと呼ばれているヨネックス独自の技術。
この技術により、フェースのミーリング(溝)が横ではなく斜めになっており、ボールの横滑りが減少し、直進性の高いショットを打てるようになります。
シャフトには、ドライバーと同じレクサスカイザMシリーズを装着しています。
アイアン 5,6番(21°, 23°):EZONE FS(ヨネックス)
通常の女子プロはユーティリティーをクラブセッティングに入れることが多いのですが、岩井明愛選手はユーティリティーの代わりにロングアイアンをセットしています。
使用する番手は、試合会場のコース状況によって5番(21°)か6番(23°)を使い分けているようです。
通常の5番アイアンのロフト角は24°~26°なので、EZONE FSは超ストロングロフトとなっていることが分かります。21°はユーティリティーの4番くらいに相当するので、ユーティリティーを使用しないでストロングロフトのアイアンでセッティングを組んでいます。
アイアン(5番~9番/PW):EZONE CB511(ヨネックス)
このアイアンセットの特徴は、G-BRID構造というグラファイト制振材をバックフェースに搭載していることで、振動を抑え打球感が向上します。
EZONE CB511の各番手のロフト角は、5番が25°、6番が28°なので、岩井明愛選手がユーティリティーの代わりに21°のEXONE FSの5番(21°)か6番(23°)をセットしているのは、ウッドとの間を補うためだとわかります。
つまり、アイアンには5番か6番アイアンはEZONE FSアイアンとCB551の2本が入っていることになります。
ウェッジ(50°, 54°, 58°):EZONE W501(ヨネックス)
EZONE W501ウェッジは、世界初のマイクロコンベックスフォージド(微細凸鍛造)で、フェース面の溝と溝の間の平面上に、0.025mm以下の微細な凸のラインを鍛造製法で仕上げたウェッジです。
この技術により、天候に影響されずにスピンの効いたショットができるようになります。これは微細な凸部分が水分を表面から排除するので、水分による滑りが減少するからです。
岩井明愛選手はロフト角50°、54°、 58°をセッティングしていますが、このロフト角は多くのプロが使用しているものと同じ組み合わせです。
パター:スパイダーX カッパーホワイト スモールスラント(テーラーメイド)
テーラーメイドのスパイダーは人気のシリーズで、スパイダーX カッパーホワイト スモールスラントはPGAのローリー・マキロイ選手が使っています。
岩井明愛選手は、憧れの選手であるマキロイ選手がこのパターを使っているので、同じものを使い続けているそうです。
スパイダーX カッパーホワイトにはスモールスラントとシングルベントの2種類があり、岩井明愛選手はスモールスラントを使用しています。
このパターはヘッドを自然にフェースセンターにセットしやすいようにデザインされていて、従来のモデルに比べ重心位置が3倍深くなっています。ロフト角は3°と比較的、ロフト角がやや立っているパターです。
ボール:スリクソン Z-STAR XV(ダンロップ)
スリクソンのZ-STARシリーズはZ-STAR、Z-STAR◇(ダイヤモンド)、Z-STAR XV の3種類あり、XVはその中でも最も飛距離に特化したボールです。
Z-STARとZ-STAR◇はともにスピンを重視したボールですが、ダイヤモンドは特にアイアンのスピン性能を向上させたボールです。
妹の岩井千怜選手を含めて、菅沼菜々選手や小祝さくら選手、山下美夢有選手、青木瀬令奈選手がZ-STAR XVを使用して、2023年のツアーで優勝をしています。人気のボールの一つといっていいでしょう。
3つの色が販売されていて、ホワイト、プレミアムパッションイエローのほかに、珍しいホワイトとイエローが半分に分けられたツートーンカラーが販売されています
岩井姉妹が契約しているヨネックスはこれから人気が爆発するかも?
岩井姉妹が使用しているヨネックスはゴルフショップ(実店舗)ではあまり見かけることができません。まだシェアを低いからかもしれませんが、岩井姉妹の活躍によって人気が高まりつつあります。
また、クラブの契約をしていないプロゴルファーの間ではヨネックスのアイアンの使用率が高まっています。
クラブ契約をしている選手は契約先のクラブを使用しなければなりませんが、フリーの選手は自分が好きなクラブを選択できます。つまり、契約フリーの選手は自分に合ったさまざまなクラブを自由に選べるので、彼らが選ぶクラブはアマチュアにも参考になるはずです。
今後の岩井明愛選手の活躍に注目しましょう。