2003年7月生まれの佐藤心結(ミユ)プロは、小1の時に祖父からもらったクラブでゴルフを始めました。
中学時代は陸上部に所属、ゴルフのためにと砲丸投げに取り組み、高校ではプロを目指すために茨城県の強豪・明秀学園日立高校に入学。高3の時(2021年)に出場した「スタンレーレディスゴルフトーナメント」では渋野日向子プロ、木村彩子プロ、ペ・ソンウプロとプレーオフを繰り広げました。
そして同年2021年のプロテストに一発合格し2022年からはレギュラーツアーで活躍。2023年のメルセデス・ランキングは39位で、2024年のレギュラーツアーのシード権を獲得しました。
今回は、そんな佐藤心結プロの2024年版のクラブセッティングを紹介します。
プロゴルファー・佐藤心結のクラブセッティング 2024年版
佐藤心結プロはニトリに所属しており、クラブとボールはブリヂストンと契約をしています。
メーカー | クラブ名称 | シャフト | |
---|---|---|---|
ドライバー(9.5°) | ブリヂストン | B1 ST | ツアーAD UB-5 S |
フェアウェイウッド (3番15°) | ブリヂストン | B1 ST | ツアーAD UB-5 S |
ユーティリティー (2番18°, 3番21°) | ブリヂストン | B1 ST | ツアーAD HY-75 S |
アイアン(5番) | ブリヂストン | 222CB+ | N.S.PRO 950GH S |
アイアン(6番~PW) | ブリヂストン | 221CB | N.S.PRO 950GH S |
ウェッジ(50°, 54°, 58°) | ブリヂストン | BRM2 | N.S.PRO モーダス3 105 S |
パター | テーラーメイド | スパイダー ツアーX ダブルベンド | |
ボール | ブリヂストン | ツアーB X |
ドライバー(9.5°):B1 ST(ブリヂストン)
『プロ・上級者の要求にこたえた新構造 ー 強弾道と低スピンで更なる飛距離を』というコンセプトで、新しいフェーステクノロジーを導入したブリヂストンゴルフ「B1 ST ドライバー」。佐藤心結プロは、この「B1 ST」をセッティングしています。
その一つがブリヂストンが独自開発したフェースの溝「スリップレスバイトミーリング」。フェース面をレーザーでクロスハッチングさせ、インパクト時の食いつきを強め、フェースの滑りを抑制しています。(クロスハッチングとは細かい平行線を密接に組み合わせて網目状のパターンを作る技術)
またスパインスタビライザーを採用したことで、ヘッドスピードの速いプロや上級者のフィーリングに合うように、ヘッドのたわみを制御して、より強い弾道を実現しています。
その上サスペンションコア技術の導入により、トー部分とヒール部分の反発性能をアップさせ、ミスによる飛距離ロスを可能な限り抑えられるようにしています。
フェアウェイウッド(3番15°):B1 ST(ブリヂストン)
佐藤心結プロもセッティングしている「B1 ST フェアウェイウッド」には、ドライバーと同じ「スリップレスバイトミーリング」を採用し、インパクト時の食いつきを強め、フェースの滑りを抑制しています。
更にねじれを抑えるカーボンクラウンを採用することで、より低重心でスピンを抑えたボールが打てるように設計されています。また、ドライバーと同じく「サスペンションコア」技術を導入したことで、ミスショットにも強くなっています。
ユーティリティー(2番18°, 3番21°):B1 ST HY(ブリヂストン)
「B1 ST HY」にもドライバーと同じく「スリップレスバイトミーリング」と「サスペンションコア」が採用されています。
ロフト角は2番(18°)、3番(21°)、4番(24°)のラインアップがあり、フェアウェイウッド5番とユーティリティー2番が同じロフト角(18°)になっています。
佐藤心結プロは2023年までは5番ウッドを使用していましたが、2024年からは2番ユーティリティに変更しているようです。
アイアン(5番):222CB+(ブリヂストン)
ブリヂストン「222CB+」は、「221CB」にやさしさをプラスしたセミラージサイズの軟鉄鍛造のキャビティアイアンです。佐藤心結プロは5番アイアンにのみ「222CB+」をセッティングしていて、その他の番手は「221CB」をセッティングしています。
「222CB+」は「221CB」に比べて、7番アイアンの比較で約3mm程度フェース面が長くなっているので安心感があります。佐藤プロが5番のみ「222CB+」をセッティングしているのは、ロングアイアンについては安心感を求めているからかもしれません。
「222CB+」はデュアルポケットキャビティ構造を採用していて、ヒールよりとトゥよりに分けて少しポケットキャビティ化してます。芯の真ん中で打ったときは、中央部が肉厚で打感の良さが得られ、芯を外したときはデュアルポケットキャビティの効果で、サイドスピンを抑えて球を上げやすくしています。
佐藤心結プロの他にも、吉田優利プロも5番アイアンに「222CB+」をセッティングしています。
アイアン(6番~PW):221CB(ブリヂストン)
佐藤心結プロや吉田優利プロなどがセッティングしている「221CB」アイアンはグラビティコントロールデザインという、厚みを変えて重心を最適化したクラブです。
ブリヂストンはこのアイアンを
ツアープロの要求にこたえた本格軟鉄鍛造キャビティアイアンです。度重なるプロによる評価から生まれた独自のツアーコンタクトソールで抜けの良さを向上。またスピンコントロールで狙いやすい重心設計に加え、ロングアイアンにはデュアルポケットが搭載され、飛びと許容性を追求しています。
と評価しています。
最近のアイアンセットはパワーロフト化の影響で、ロフトが立っているものが多いのですが、「221CB」アイアンは7番アイアンが32°、PWは46°で比較的ロフトが寝ているので、ウェッジのロフト選択には注意が必要です。
ウェッジ(50°, 54°, 58°):BRM2(ブリヂストン)
「BRM2」はブリヂストンが持っているスタッドレスタイヤの技術を応用したウェッジです。ミーリングの間にくさび型スリットを配置して、エッジ効果によるボールの食いつきと排水性を追求しています。
また、スピン性能を向上させるために、従来6本だったミーリングパターンを大小の7本に変更し、ボールのフェースへの乗り感を向上させています。
その他、ロフト毎にヘッドの肉厚の設計を調整し、距離の目的にあったボールを打てるようにしたり、ソールのグラインドの形状を変えたりもしています。
パター:スパイダー ツアーX ダブルベンド(テーラーメイド)
「Spider X」は、ブレード型のパフォーマンスにマレットデザインの利点を兼ね備えたパターです。
TSSウェイトをやや前方に配置することでヘッドの開閉がしやすく、ブレード型のような操作性を持ちながらも見ための安心感と安定感が向上するよう設計されています。
また、ソフトな打音・打感を生み出す「PURE ROLL™」インサートを採用していて、トゥルーパスアライメントと調和するようにインサートもホワイトで統一しています。
さらに、スパイダーの特徴的なヘッドシェイプはそのままに、新たにフェース後方に振動吸収材のハイブラーエコーを搭載して無駄な振動を抑え、心地良い打感と打音が得られるようにしています。
ボール:ツアーB X(ブリヂストン)
ブリヂストンの「ツアーB」シリーズには「X」と「XS」があり、佐藤心結プロは「X」を使用しています。2024年2月にリニューアルされたこのゴルフボールは、基本コンセプトの「飛んで止まる」という性能をさらに向上させました。
タイガー・ウッズ選手も長く愛用するボールですが、リニューアルされた「ツアーB」に対して、タイガーは
フェースに長く乗り、打音も柔らかい。このディープ感が気に入っている
と評価しています。この評価は新たに開発した「リアクティブiQ・ウレタンカバー」と「ハイスピード・インナーカバー」を採用した3ピース構造で実現されました。
佐藤心結プロのクラブセッティングは安定性を求めるゴルファーの参考に◎
佐藤心結プロはJLPGA94期で、同期には川﨑春花プロ、櫻井心那プロや尾関彩美悠プロがいて、彼女たちはレギュラーツアーで優勝をおさめています。もちろん佐藤プロも同期に負けないように、早く優勝したいと思っているに違いありません。
飛ばし屋のプロゴルファーですが、2024年のこれまでのスタッツを確認すると、平均のドライバー飛距離は240ヤードと2023年から10ヤード程度も落としています。もしかすると、正確性を追求しているのかもしれません。
これは使用するクラブセッティングにも反映されるはずなので、ぜひアマチュアゴルファーの方で飛ばしよりも正確性を求める方は、佐藤心結プロのセッティングを参考にしてみてはいかがでしょうか。