「プロテストに受かれば、すぐにツアーに出て大金を稼げる。」というほど、ゴルフの世界は甘くありません。
レギュラーツアーはもちろん、男子「Abemaツアー」や女子「ステップアップツアー」などの下部ツアーに出場するためには、QT(=Qualifying Tournament)で好成績を収める必要があるのです。
今回は、この QT がどんな試合なのか、QTがどんな仕組みなのかについて解説していきます。
ゴルフの「QT」とはどんなもの?
QT(=Qualifying Tournament)とは、日本語では “予選会” を意味します。
要するに、男女ともにツアートーナメントに出場するには、この「QT」を勝ち上がる必要があるということです。
では、具体的にはどの程度の好成績を収めなければならないのかを見ていきましょう。
男子ゴルフのQTの仕組み
男子ゴルフ(JGTO)のツアーに出場するには、
- 1st QT(72ホール、約1,000人が出場)で上位3割程度に残る
- 2nd QT(72ホール、約450人が出場)で上位3割程度に残る
- 3rd QT(72ホール、約280人が出場)で上位3割程度に残る
必要があります。
要するに、ツアープレイヤーになるには、1,000人近くがエントリーするQTに出場して上位100人に残らなければならないのです。
ただし、上位100人に残れば、テレビ放映のあるレギュラーツアーに出場できるわけではありません。
3rd QTが終われば、優先的に試合に出場できる権利を競うための、Final QT(72ホール、約100人)を戦う必要があるのです。
このFinal QTで、試合への出場優先度を決めるQTランキングが決定し、
- 1位のゴルファーが、翌年のレギュラーツアーへの出場権を獲得
- 上位20位までのゴルファーが、翌年のレギュラーツアー前半戦の出場権を獲得
- 上位120位までのゴルファーが、翌年のAbemaツアーの出場権を獲得
します。
上述の通り、男子ゴルフのレギュラーツアーに出場するためには、約1,000人が出場する「QT」において、上位20位という非常に狭き門を通過しなければならないということです。
女子ゴルフのQTの仕組み
女子ゴルフ(JLPGA)のQTは、男子ゴルフとは異なっており、1st、Finalの2ステージ制で、QTランキングを決める形になっています。
- 1st ステージ(72ホール、約270人)で上位約20人に残る
- Final ステージ(72ホール、約100人)で上位に残る
ことで、翌年度のツアーにどれだけ出場できるかが決まり、
上位35名程度に入ることができればレギュラーツアーに、上位140名程度に入ることができればステップアップツアーに出場しやすくなります。
男子ゴルフと比べると出場権を得やすいようにも思えますが、プロ同士で凌ぎを削り合う試合であり、上位に食い込むことは非常に困難であることは変わりません。
ゴルフのツアー出場には過酷な「QT」を突破する必要あり
テレビ放映などを見ていると、プロゴルファーになれば大金が稼げると思ってしまうこともあるかもしれません。
ただし、私たちが目にするツアープレイヤーになるには、非常に過酷なQTを勝ち抜き、上位数%に入る必要があります。
年末になれば、熾烈な争いを繰り広げるQTが開催されているので、興味のある方はぜひ、JGTOやJLPGAの公式サイトで成績を確認してみてはいかがでしょうか。
2021-2022のFinal QTに出場、Abemaツアーを中心に非凡な成績を残している生源寺龍憲プロの応援もよろしくお願いします。